店長の衝撃を受けた1冊『家畜人ヤプー/沼正三』
『家畜人ヤプー/沼正三』
店長が20代前半に古本屋に勤めはじめた頃に読んで衝撃を受けた1冊です。
といっても僕が読んだのは漫画ですが・・。
画像は江川達也バージョン(全9巻)のコミックですが、店長が読んだのは石森章太郎バージョン。見開きが通常のコミックと逆になっていて読みづらかった覚えがあります。
内容は、婚約中のカップルである日本人青年留学生麟一郎(柔道の達人)とドイツ人女性クララ(美人)が事故を起こした女性ポーリーンを助けたことから始まります。
助けた女性ポーリーンは実は未来帝國イースの国民で、イースではなんと白人が人間、黒人は奴隷(半人間)で、黄色人種(日本人以外の黄色人種は過去の戦争により絶滅)は家畜(ヤプー)として扱われているのです。
そんな世界観の中に麟一郎とクララがまきこまれていくのですが、麟一郎の扱いがひどい・・・・。
そもそもヤプーはいわゆる家畜なので、人権なんてものは無いんです。
更にイースでは神である白人に家畜として扱われる事に喜びまで感じている始末・・。
最初は自分への扱いに屈辱を感じていた麟一郎もだんだん洗脳されていき、最終的には喜んでクララの家畜に成り下がっていく始末(その間たった3日)・・・・・・。
と、まあ日本人の男として生まれ育った僕には中々衝撃的な内容でした。
日本人が何故、人ではなく家畜になっていったのか?等の理由なんかも結構、理路整然とまとめられていて良く出来ているなと感じます。
また、作品が発表された当初は、戦後間もない時で、白人主義というか、戦争に負けたのにそんなんでいいの?なんていう皮肉を込めたものでもあったんじゃないかな?と店長的には思います。
「戦争に負けたのにヘラヘラしやがって、お前ら家畜と同類だ!!」みたいな・・
言葉遊びとSMの世界・・・・この独特の世界観を一度味わってみてはいかがでしょうか?
こんな世界いやだっ!と心から思う店長でした。